アツモリ君の雑記

アツモリ君が日々思ったこと,感じたことを綴る雑記です

ドラマ紹介3 仁

久々のドラマ紹介です。今回は“仁”です。

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(※ネタバレあり※)

 

1人の外科医・南方仁大沢たかお)が江戸時代にタイムスリップしてしまいます。そこで医者として奮闘していくのですが道具も薬も満足に無い中、知識と腕だけで江戸の人々を助けていくのですが、医療の目線から見てもかなり理にかなっているのだそうです。

南方は途方もないところに来てしまい絶望もしますが、その人間らしい性格と医術で仲間をつくり、懸命に生きていきます。道具・薬がないと言っても現代の医療の知識、技術があるので当然江戸では神技とされ、その噂も広がり、江戸を代表する人物と関係を持ち、時代の中心を生きていくこととなります。

 

泣き虫で人間臭い南方仁を演じる大沢たかおさんをはじめ、このドラマはキャストがかなりマッチしており、私の中ではベスト・オブ・(役と役者さんの)マッチングドラマとなています。

 

持前の行動力と人懐っこさで時代の中心を走り、南方先生の親友になった坂本龍馬役の内野聖陽さん、南方の医術とその人柄に惚れ、最後まで健気に尽くす橘咲役の綾瀬はるかさん、その外にも緒方洪庵役:武田鉄矢さん 橘恭太郎役:小出恵介さん 勝海舟役:小日向文世さん etc。やはり役者さんがはまっているドラマというのはその世界にぐっと入っていきやすいですよね。いつも、こういった、ぐっと世界感に引き込まれるドラマを観た後は喪失感や寂しい感じを一層強く感じますよね。今で言う「〇〇ロス」ってやつですね。

 

MY BEST SCENE

 

 

第3位

南方は元の世界に、同業の恋人:未来がいましたが、脳の病気にかかってしまいました。難しい手術でしたが、強行しましたが、結果は脳死状態という最悪のものでした。未来の祖先と思われる女性:野風と江戸で出会うのですが、最終的にこの女性が見受けされることになります。未来はこの野風と見受け先の男性との子孫になるんですが、その見受け直前、野風に乳がんが見つかります。南方はこれに気付きますが、もし、乳がんだということで手術をしてしまえば見受けはご破算。未来も生まれなくなってしまうのです。恋人の未来が生まれない世界を作ってしまうのか野風の乳がんを見殺しにするか究極の2択を迫られます。そこで坂本龍馬が南方を説得するシーンです。龍馬は南方の事情をすべて理解します。そのうえで、手術をした後の結果はすべて自分(龍馬)のせいだ。だまって手術をしろと迫るるシーンは、すべてを悟っている龍馬の優しさや野風への想いなど様々な想いが伝わってきて観ているこちらも複雑な感情を覚えるシーンなっております。

 

第2位

南方がコレラから江戸を救うというお話ですが、南方は懸命に治療にあたり、緒方洪庵はじめとする江戸の医者や江戸の人々の信頼を得ながらコレラと戦います。その結果、コレラは収束に向かいますが、南方は、ふと自分のしていることの意味が分からなくなります。歴史には修正力というものがあって、タイムスリップした江戸の世界でいくら医療で人々を助けてもそこで死ぬはずだった人々は結局死んでしまうのではないか、自分が治した人々は自分が治療しなくても助かった人々なのではないか、と自分の存在が無意味に思え絶望します。南方は堰を切ったように自分が未来の世界から来たことも咲に話、自分の存在の無意味さをぶつけます。そんな南方を咲が慰めるシーンです。咲は南方と出会ったことで、医術を知り世界が変わったことを伝えます。南方はその言葉に波を流します。そこでひとしきり慰めた咲は“あちらで待っております。”と南方を一人にします。なんてできた女性なんでしょう。。序盤のお話ですがこのシーンで橘咲という人物像がはっきりし、ドラマ自体がとても安心して観られるものになるストーリーとなっているのではないでしょうか。仁には名言がたくさんでてきますが、この“あちらで待っております。”は隠れた名言だと個人的に思っています。

 

第1位

このドラマには名シーンが多くありどれもこれも甲乙つけがたかったのですが、最も泣けたシーンだったのでこれを選びました。

南方が江戸にタイムスリップした序盤から、母親を助けられたり、自分自身もコレラから助けてもらったりと南方を慕うようになった喜一という少年がいます。喜一の母親を助けるお話や、喜一がコレラから回復した際に泣きくずれて喜ぶ母親:戸田菜穂さんの演技などこの親子には泣かされてばかりです。

そして、咲の母親橘英が「かっけ」にかかってしまいます。当時かっけは重病でほっておけば死んでしまう状態となっていました。このお話の前に咲は目上の武家との見合いを当日ぶっちし、南方の元へと行ってしまいました。そのせいで橘は差し控えを言い渡され(謹慎みたいなもの)英は絶望していました。このまま生きていてもいいことなんてないのだから治療もしないと完全に自暴自棄になっていました。そんな中南方と咲は英い気づかれず、かっけに効くビタミンB1の入ったドーナツを開発します。咲が作ったと英のバレれば英はおそらく食べないであろうと、喜一が発明したお菓子を味見してほしいという体で持っていきます。英は一口食べると咲の作ったものだと気づき一切に口にしょうとしなくなってしまいました。それから毎日喜一は英に嘘だとバレていることを承知でドーナツを届けに行って説得をつづけました。

なかなか食べてくれない英に対して、喜一は死んだら終わり生きていれば必ず笑える日がくる。咲だっていつか初の女性の医者ということで成功する、橘家の差し控えも必ず解かれる、その時に生きていないと笑えないと、訴えます。実は喜一自身も母親を亡くし絶望した時期を乗り越えているのです。そんな少年の心からの訴え、とても感動するシーンです。それを聞いた英はとうとうドーナツを食べかっけから回復します。

 

この喜一役の伊澤征樹君の演技は素晴らしいですね。最近の子役ブームの中でもずば抜けていると個人的には思っています。といっても現在は高校生ぐらいになってますね。子役の大きくなった姿を観ると時が経つのは早いなぁとしみじみ実感します。

 

以上仁の紹介を終わりますが、仁はこれ以外にも見どころのあるストーリーが数多く盛り込まれています。まだ見たことがない人はぜひ一度観てみてください。